2.10周年に寄せて
10周年に寄せて
北村小夜さん(「障害児を普通学級へ」全国連絡会 世話人)
設立10周年おめでとうございます。
まずは、「介護の社会化」が期待されるようになって久しくなりますが、財源論が優先しコロコロ変わる施策の中、ややこしい仕組みを解きほぐし、需要に応じて活動範囲を広め、よくも初志を貫いて10周年を迎えられたことと感服しています。
基本的な理念としては「らっこ」と共通するものだと思いますが、教師であった私は、全ての人が差別・排除されることなく共に生きる世の中への第一歩として、障害を持つ子も持たない子も共に学ぶ学校作りを目指して30余年取り組んできましたが、まだ半ばで実現にはほど遠い情況ですが、すでに末期高齢を迎えてしまいました。
日に日に充実していく「らっこ」を、できることならお世話になることなく終わりたいと思いながら、少し距離を置いて頼もしく見てきました。
お世話になるにしろならないにしろ、十分な意欲とキャリアをもつスタッフの揃った「らっこ」が近くにあるのは心強いことです。そう思うからには、今まで素通りしがちでしたが、これからは時々覗かせて貰わなければと思います。折々に行われる諸行事も暇をみて参加しようと思います。
どうぞよろしくお願いします。
渡辺 久美子さん(元大田区介護サービス事業課長)
創立10周年、おめでとうございます。
思い返すと、10年前は介護保険が創設され、福祉の利用方法が措置から契約へと大きく変わった激動の時代でした。
そのような大混乱期に、私は、行政側から介護保険に携わることになりました。新しい制度を担うこととなった民間事業所の実態はどうなっているのか。果たして介護サービスは足りているのか、等々不安が尽きませんでした。
そのような時に、職場のすぐ近くにオープンしたのが「らっこ」さん。
その頃、まだ耳新しいNPOによる運営ということもあって、早速見学させていただいたことを思い出します。
行ってみると、そこは駐車場を改造したワンルームでデイサービスのみ。風呂もなし。隅にある台所では、お昼ご飯の準備をしているのが丸見えです。でも、だからこそ、人と人との心が触れ合うにはピッタリのシュチュエイションで、調理をしている人も一緒に和気あいあいとおしゃべりが弾んでいました。
7年がたち、その後どのように事業を展開されているのか関心もあって、記念の日にはお邪魔をさせていただきました。多くの介護保険事業所の苦戦が伝えられるなかで、事業拡大もされて大健闘。何よりも感心したのは、素晴らしいボランティアの人達に支えられている状況でした。その方々は、ごく自然体で溶け込み、みんなの笑顔からは温かさが伝わってきました。
目指すは次の10年。きっと、多くの方に支えられて、さらに飛躍しているのではないかと思います。そして、たまたま支援が必要になってしまった高齢者を勇気づけ、その顔には、満開の笑顔の花が咲いていることでしょう。
さらなるご健闘をお祈りします。そして10周年、おめでとうございます。
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