1.ご挨拶

ごあいさつ

代表  浜 洋子

 ひとりの人間の出来ること、持てるものはほんの一握りのことでしかありません。その人の持つ能力もその人の時間も有限であり、どんなにひとりであがいても何をするにも限りがあるのです。まして、女性は時代が進んでも子育て、介護、家事を担う割合が高く、また、その分野の作業があまり嫌いではありませんから、進化した電化製品の助けや理解ある家人の助けがあっても、人生の多くの時間を家や家族のために使います。そして、思いを同じくした仲間同士でも数々越えなければならない山があるものです。
わたしたちがこの10年、ともに「らっこ」を盛りたててこられたのは「奇跡」に近いものがあると考えています。
「思い」だけで事業を「素人の」「女性たちが中心」になって立ち上げ、福祉の「専門性が基にあるわけでもなく」「介護保険事業は実入りが少なすぎる」なか「後発事業部門」も抱えやってこられたのは、本当に皆様のお蔭です。
あとあとのページを眺めていただくとわかりますが、利用者に恵まれ、働く仲間が支えてくれ、ボランティアさんが集まってくれました。介護の仕事を教えてくれたのは要介護のお年寄りです。事業の専門的なことで困っても利用者家族が尽力してくれたり、つてで頼った専門家が協力してくれたり、底で踏ん張ってくれていたのは得意な分野で力を発揮してきた運営委員・会員メンバーです。
ひとりひとりの一握りは合わさると持ちきれないほどになり、まわりの団体や関わる人にもお分けし、それがまた「還ってくる」という奇跡の連鎖を感じました。
ひとは一握りのものも分かち合う知恵と、ともに持ち合うことの喜びをもともと知っているのだと思っています。
この10年をありがとうございました。次の10年をどうぞよろしくお願いします。

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